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眼科受診必要度として4種類に分けてみました。

レベル1 − 心配なら受診
レベル2 − 時間に余裕のある時受診
レベル3 − できるだけ早急に受診、精密検査必要
レベル4 − 今すぐ、夜中でも救急病院へ
 

レベル1

レベル2

レベル3

レベル4

急性涙嚢炎

 

上強膜炎・異物
角膜びらん・潰瘍

 
   
 

眼精疲労

 
 

流行性角結膜炎

 
 

内頚動脈海綿
静脈洞ろう

 
 

電気性眼炎

 
     
   

涙腺炎

 
   

涙嚢炎

 
   

眼窩蜂窩織炎

 
   

結膜炎

 
   

強膜炎

 
   

ヘルペス角結膜炎

 
   

虹彩炎

 
     

結膜炎(細菌性結膜炎・ウィルス性結膜炎・アレルギー性結膜炎)

結膜炎は、大きく3つのタイプ(細菌性結膜炎、ウィルス性結膜炎、アレルギー性結膜炎)に分ける事ができますが、2つが同時に混ざっていたり、ウィルス性結膜炎の初期は、細菌性と区別がつかない事が多くあります。また最近は抗生物質が効きにくい耐性菌による細菌性結膜炎もあり、処方された目薬を一週間使っても効果のない充血、めやには、早めに再検査を受けて下さい。全ての結膜炎はこする事で悪化しますので 手をこまめに洗い、こすらず、点眼回数も指示を守って使って下さい。

細菌性結膜炎
一番よく見かけるもので、充血、黄色や緑色のめやに、ゴロゴロ感があります。伝染性はなく、抗生物質の点眼がよく効き、一週間以内に治る事が大半です。こすらずに、処方された目薬を1日3〜4回点眼し、充血、めやにがなくなった時点で目薬を中止して下さい。

ウィルス性結膜炎
細菌性結膜炎に比べ全ての症状が強く出現します。充血も強く、めやにベタベタ、涙ポロポロ、まぶたも腫れ、耳の周辺のリンパ節も腫れます。伝染性も強く、めやに、涙を介して家族や周囲の人々に伝染します。ウィルスに対する治療薬はありませんので、体の中に免疫という抵抗ができウィルスを退治するまで治りません。従って、二週間はどんどん悪化し二週間を境に自然に改善していきます。処方された点眼薬は辛い症状を和らげるためのもので、点眼していても治るまでどうしても二週間は必要になります。この病気と診断された場合は極力目をさわらず、顔を拭いたタオルは家族で共用せず、他人に伝染させないよう充分注意して下さい。

アレルギー性結膜炎
花粉症でよく知られていますが、花粉、ハウスダスト、動物の毛、カビ・ダニ、ホコリ、何でも原因になります。何か自分にとって合わないものが目に入った場合に起こる結膜炎で、充血糸ひく透明な目脂、ゴロゴロ感とカユミが特徴です。かゆくてこすると腫れたり痛くなったり白目が水ぶくれ状になったりします。一時的にどんなに腫れても、まず後遺症が残る事はありません。伝染性もありませんので、こすらず、処方された目薬をカユミに応じてうまく付けて下さい。(ステロイドは少な目、ステロイドでない薬はカユミの強い時はこまめにつける。)

白内障

老人性、先天性、外傷性、アトピー性等種々の原因で、水晶体というカメラのレンズに相当する組織が混濁を起こした状態を言います。初期はカスミ眩しさ程度で生活に支障を感じませんが、序々に進行し、運転に支障をきたし、新聞が読めない、テレビが見えない、指の数まで分からない状態になります。また、白内障では目の中に濁りが存在するため、眼鏡をどんなに強くしても改善しません。ただし、手術さえ受ければ元のように見やすくできる病気ですので心配はいりません。手術も入院せず、日帰りで15分程度で終わる痛みの無い手術で済みます。
白内障は40才過ぎれば多かれ少なかれ全員に出てきますので、軽い場合は一年に1〜2回の定期検査、見えにくさを感じ始めたら進行予防の点眼をし、約3ヶ月毎にチェックとなります。手術を受ける時期は全く急ぐ事はありませんので、日常生活に支障をきたし、我慢できなくなった時期が丁度良いと考えて下さい。
最近見えにくいのは眼鏡が合わないと思っていたら実は白内障だったとか、白内障が見にくい原因と思っていたら実は緑内障や他の病気が隠れていた等はよくある例ですので、安易に自己判断せず必ず眼科を定期的に受診し確認を受ける事が大切です。

角膜びらん(上皮剥離)、潰瘍

角膜(黒目の部分)の傷のことで、表面の浅い傷(スリ傷に相当)をびらんと言い、深い傷を潰瘍と言います。角膜に傷ができると、痛み、充血、涙、ゴロゴロ感、カスミ、まぶしさ等の症状を認めます。角膜はとても神経の多い所で、ゴミが入ってもゴロゴロつらい様に小さな傷でも異和感を強く感じます。傷のための痛みは傷が治るまで止めることは出来ません。
軟膏眼帯、冷やす、痛み止めの内服等で痛みを軽減させる処置をします。軽いびらんでしたら普通3〜4日もあればあとかたもなく治りますが、バイ菌が入った場合は長引いたり後遺症として視力が低下することもあります。角膜びらんと診断された場合、バイ菌を持ち込まない事が大切です。ゴロゴロしたり涙が出たりするので、ついつい手でこすりがちですが、バイ菌を持ち込んだり傷を拡大する原因になるので禁物です。
処方された抗生物質の点眼、軟膏を正しく使用し、完全に傷が治ったか確認を受ける事をお勧めします。長引く充血、異和感、目脂(目ヤニ)は要注意です。早めに受診して下さい。

閃輝暗点症(せんきあんてんしょう)

古典的片頭痛とも言われ、 片頭痛 の前兆で生じる視野異常のことを指します。突然、視野の一部に水面が波打つ様な光とか、光のギザギザが見えるといった 光が見え、通常5〜30分程度持続します。光が消失する頃に、頭痛がします。頭痛とともに、吐き気やムカツキを感じたり、光・音に過敏になることも多く、数時間〜半日程度持続し、全ての症状が消失します。CT.MRI等の検査をしても脳内には異常を認めません。
女性にやや多く、発作は毎月〜年1回と回数には個人差があります。疲労、ストレス、睡眠不足などが原因で、自立神経のアンバランスを起こした時の症状で、脳の後頭部にある血管が急に細くなり血流が悪くなった時に視野の一部に光りを感じ、反動で血管が太くなりすぎた時に頭痛を感じます。
症状が軽い場合、年に1〜2回程度のものは一般的に疲労ストレスをためない様生活を注意するだけで、治療を必要としません。辛い症状、頻繁に繰り返す場合は脳神経のチェックを受けたり頭痛の治療を受けるコトも必要となります。光を感じた場合は目を閉じたり暗い所で静かにしていると早く治る傾向があります。
初めて経験するとびっくりしたり心配する方が多いですが、後遺症の残るものではないので御安心下さい。疲れた時の注意信号だと思い、特に睡眠不足のない様な生活を心掛けて下さい。

睫毛乱生・眼瞼内反症

本来、まつげは眼球に向かって外側に生えていますが、まつげが列ごと眼球側に倒れ込んで角膜をこすったり(内反症)、まつげの列のうち数本だけが内側に向かって生えてくることがあります(乱生)。
まぶたの皮膚のゆるんだお年寄りや鼻筋のはっきりするまでの子供によく見られます。子供の場合は、年齢とともに自然に治ることが多く、大きな傷にならないかだけ注意して様子をみます。こすっているまつげが数本なら抜去すれば問題ありません。
列ごと倒れ込んでいる場合は余分な皮膚を除去したり、まつげが外側にそるよう手術をすることがあります。まつげは抜去しても1〜2ヶ月で伸びますし、大半は同じ方向に生えますので、根気よく抜く必要があります。
手術で治す場合は、注射で麻酔をし15〜20分の外来手術で可能です。

ぶどう膜炎

ぶどう膜とは虹彩・毛様体・脈絡膜の総称で、眼球内でとても血管が豊富な部位です。軽症では、虹彩炎(瞳の部分の炎症)眼球の奥に広がり、重症化するとぶどう膜炎という言い方をします。
軽い虹彩炎では充血、カスミ、光がまぶしいといった自覚症状があり、進行すると視力低下、重苦しい、飛蚊症等の症状が出てきます。
原因は、風邪、打撲をはじめ、内科の病気、ベ−チェット病、サルコイド−シス、原田氏病、リウマチ関連、結核等、種々の原因があります。また、原因不明で起こるものも多く、まれに治療を受けていても徐々に悪化するものもあり油断の出来ない病気です。
採血や全身検査、内科での検査を受ける必要もあります。大半は軽症で点眼のみで改善しますが、再発することも多い病気ですので、眼科定期検査、異常を感じたらすぐに眼科受診が大切です。
治療には、ステロイド剤を使うことが多く、点眼回数の指示はしっかり守って下さい。むやみに付けすぎて副作用を起こしたり、途中で中止すると再発したりします。あまり長期化すると、白内障、緑内障等を併発することもあります。

緑内障発作

全緑内障の10%程度と頻度は少ないですが、突然ひどい頭痛、片眼が充血し、痛み、カスミで視力も低下し、ひどいと一晩で失明に近い後遺症を残すことがあるのが、閉塞隅角緑内障の急性発作です。
目玉の中には常に水を生産する場所があり、隅角と言う場所から目の外へと水を排出しています。その排出路の隅角が生まれもって狭い人や、年齢と共に狭くなった緑内障になりやすい素因を持った人(60才以上の女性に多い)がいます。夜間、疲れ、心配事などの重なったことがきっかけとなり、突然排水路が完全にふさがってしまうことがあります。生産された水の排水路がなくなり眼球内に水がパンパンにたまった状態で、正常では10〜21mmHg の眼圧が50〜60 mmHg にも上昇します。
この高眼圧状態が、痛みと後遺症の原因となります。 一刻も早く眼科での治療が必要な病気です。夜間でも、投薬、レ−ザ−を受け眼圧を下げる必要があり、下がらない場合は、緊急手術をすることもあります。頭痛が強いので脳外科受診する場合もあり発見が遅れるケ−スもあります。
一度発作を起こすと大変ですが予防的に目薬を続けたり、レ−ザ−の治療(虹彩の隅に小さな穴を開ける)を受けてしまえば、発作を起こさずに済みますので、眼科定期検査を受ける事、眼科医から治療を勧められた場合は積極的に受ける事をお勧めします。発作の前ぶれで、虹視症(電灯の周りに虹がかかる)が繰り返す場合があります。遺伝的要素もありますので、両親兄弟で緑内障の方が居る場合は要注意です。

飛蚊症(ひぶんしょう)

眼前に蚊のような小さな物体が浮遊しているように見える現象のことです。
眼球の内容は、硝子体というゲル状の物体がつまっています。生まれたときは濁りひとつない透明なものですが、加齢に伴い30代で液化収縮をはじめ(近視のある人では、10代から起こる)結果として、硝子体中に小さな混濁が生じ、その影が網膜に投影され、黒い点、糸くず状モヤモヤしたものと感じた状態です。
明るい所、白いモノを見ると影が濃く映るので気になり、薄暗い所では、はっきりしません。投薬治療では治らず、飛蚊症が原因で目に悪影響はないので、小さな物体が見えても気にせず、放置するのが原則です。
網膜剥離、眼底出血等の病的な飛蚊症の場合は、墨を流した様に大量の影が出現します。この場合は、早急に眼科受診が必要です。

中心性網脈絡膜炎

多忙な中年男性の片眼に起こることが多く、疲労、ストレスが原因と言われています。見ようとする中心部分が、円形に暗く、物が小さく見えたりゆがんで見えたりします。
網膜の奥にある脈絡膜という血管の豊富な組織からの水漏れが原因で、網膜がむくみを起こした状態です。休養をとり、ビタミンの栄養剤、循環改善剤等の内服中心で、2〜3ヶ月後には大半はほぼ完全に改善します。まれに無理を重ねると再発を繰り返し、ゆがみ、視力低下の後遺症が残ることもあります。
内服で治りの悪い場合は、FAG(蛍光眼底撮影検査)をして、レーザー、光凝固術が有効のこともあります。
タバコを大量に吸う人は、老人性円板状黄斑変性症というやっかいな病気に移行することがあります。

翼状片(よくじょうへん)

目頭の方から白目の表面にある結膜という薄い膜が角膜の表面に侵入してくる状態です。
原因は不明。紫外線などの刺激が原因と言われています。悪性のものではないので、充血、異物感、外観上気にならなければ、数年間放置可能のことも多い。ゆっくり進行し、瞳に近づいた場合は、手術で切除しなければなりません。
手術後も角膜にうすい混濁が残るので、あまり大きくなる前に手術するのが原則です。手術後約5%に再発があり、再手術が必要になることがあります。術後の点眼、定期検査が大切です。
外観上、気になる方は、早めに御相談下さい。手術は点眼で麻酔をし、10〜15分程度です。

麦粒腫・霰粒腫(ばくりゅうしゅ・さんりゅうしゅ)

俗に『ものもらい』と言われるもの。良性で、他人に伝染したり、かなり腫れても跡が残る事はまずありません。
睫毛の付け根、まぶたの内側の涙の油分を分泌する腺がつまったり、細菌感染を起こした状態です。腫れ、痛みの強い麦粒腫。痛みは軽く、しこり状になる霰粒腫とがあります。
軽いと自然に治ることもありますが、自分で膿を出そうとしてつぶしたりすると、周囲に細菌を広げる恐れがあるので厳禁。軽いうちに、抗生物質の点眼をするのが一番です。
腫れ、痛みが目立つ場合は抗生物質、消炎剤の内服も使用。また、切開で膿を出したり、手術的に(注射で麻酔)しこりを全摘出することもあります。
繰り返し出来る場合は、目をよくこする、疲労等で抵抗力が低下している、糖尿病、が原因の場合もあります。

結膜下出血(けつまくかしゅっけつ)

白目が、突然(気が付いたら)真っ赤。痛くも、痒くも、めやにもなく、比較的境界がはっきりとして、ベッタリ赤いことが多い。
白目の表面にある細い血管が切れて、周囲にしみ込んだ血液が見えている状態です。白地に赤いので、いかにも悪そうですが、全く目に悪影響がありません。無意識に目をこすったり、くしゃみしをした時にも細い血管は切れることがあり、原因に思い当たることがないのが大半です。
皮膚をぶつけた時に皮膚の下の血管が切れる内出血の『青たん』と同じもので、こすらずに放っておけば1〜3週間で消失します。眼底出血とも無関係。月に2〜3回も繰り返す場合は、高血圧、糖尿病等を注意します。

ドライアイ

ドライアイとは、涙の異常が原因となり眼の表面の慢性的な障害を生じる病気の総称を言います。
シェーグレン症候群(涙、唾液等の分泌が障害される病気。膠原病と合併している事が多い。)を代表とする涙の減少が原因のタイプ(涙液減少型)と、涙の成分が悪い、コンタクトレンズ装用、VDT作業等で涙の蒸発亢進が原因のタイプ(蒸発亢進型)とに分ける事が出来ます。
治療としては、涙液減少型では軽症〜中等症では点眼治療、重症例では涙点にプラグを挿入する等の治療が有効な場合があります。蒸発亢進型では、涙液の補充の点眼の他に原因に応じた治療が必要となります。
眼には乾燥感という感覚は少ないため、眼がショボショボする、疲れやすいと感じる事が多いようです。従って、眼精疲労と思っている方の中にドライアイが原因のケースが多く存在するようです。御注意下さい。

花粉症とは

杉を始めとする種々の草木の花粉が目・鼻・のどの粘膜に付着することにより起こる
炎症(アレルギ−反応)のこと。目では、アレルギ−性結膜炎となります。

症状(目では)

充血・痒み・腫れぼったい・異物感(ゴロゴロ)・眼脂(めやに)

症状(鼻・のどでは)

くしゃみ・鼻汁・鼻づまり・発熱・頭重感等

花粉症にかかったと思ったら

自己診断は危険です。花粉症と思っていても他の病気のこともあります。
必ず眼科・耳鼻科の専門医に正確な診断を受けて下さい。

花粉症への対応

たとえ花粉症にかかったとしても、花粉の季節だけ花粉のない世界へ行くことができれば(海外や北海道など)花粉症を起こさずにすみますが、なかなかこうはいきません。花粉が体に触れない方法をとることが最良の方法です。

1) 防護メガネ・マスク等を使用する。
   普通の眼鏡(防護のないもの)でも60%程度の花粉を防いでくれます。

2) 外出後・帰宅前に服・髪をはたき、花粉を家の中に入れない。
   花粉の付着しにくいツルツルした表面の衣類を選ぶ。

3) 帰宅後、洗顔して付着した花粉を洗い流す。
   (カップ型の洗眼方法は、やりすぎると悪影響を及ぼします)

4) 布団は外には干さない。外で干した布団に付着した花粉で
   布団に入ったとたんに悪化することあります。
   外に干すなら午前中に、ビニール袋を表面に置き花粉防止をしておく。

5) 外出は午前中に済ませる(午後から花粉の飛散が増加する為)

6) 花粉に負けない健康な体を作る。
   睡眠・栄養を充分とり、酒・ タバコ・ストレスに注意する。

7) それでも症状がでた場合は、適切な薬で、症状の改善を図る。

アレルギーにおける点眼の目的

1) かゆみ止め - 圧倒的にこの目的が多い。
2) 充血の解消
3) ゴロゴロ感、腫れの改善
4) 目やに止め(透明で糸を引く様な目やにが特徴)

アレルギー時に使う目薬の種類

1) 抗アレルギー剤…一般的に重大な副作用はほとんど無く、長期にわたって使用可能。
           予防的に季節前投与も有効。真っ先に使ってみる薬です。
2) ステロイド剤…かゆみ止めの効果は強力だが、必要最低限に使う薬。
           長期、大量に使うと緑内障などの副作用があり得る。
           低濃度と高濃度がある。眼科医の管理下で使う。

アレルギー時の注意点

1) こする前に点眼する
カユミの為ついついこすると、こすった刺激で急に腫れ(白目が水ぶくれ状)カユミも増強し点眼薬が効かなくなる。カユミはこすらぬ様ガマンして早めに点眼する事。

2) 季節前投与
抗アレルギー剤の肥満細胞安定化作用の発現には、1〜2週間の時間が必要とされており、花粉症の季節前(2月に入ったらすぐに)点眼を開始しておくと、ピークの辛い時期を軽く出来る。

3) 抗アレルギー剤は、こまめに。ステロイド剤は、少な目に。
カユミの辛い日は、抗アレルギー剤を1日5〜6回まで増量してみる。それでもカユミがおさまらなければ、軽めのステロイド(0.02%フルメトロン点眼)を1日3〜4回、間に追加してみる。大半の人は、この程度でカユミがおさまり、副作用を心配せずに済む。これでもかゆければ、0.1%に代え1日2〜3回使ってみる。(0.1%ステロイド使用時は2週間後に一度眼圧チェックを受けること)

4) 鼻炎症状があれば内服や点鼻も追加
花粉症であれば、大半の人は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの鼻炎症状も出現する。辛い鼻炎症状を点鼻薬(スプレー式)や内服薬で改善してあげれば、目のカユミにも有効となる。

5) メヤニが増えたら
透明で糸引く様なメヤニは放置可だが、黄〜黄緑、目が開けられない程こびりつく様になったら細菌感染を疑う。こすっている間に指のバイ菌を持ち込む事が多い。この場合は抗生物質の追加が必要で、早めに眼科受診する事。

6) 市販のカップ式で目を洗うタイプは?
・洗浄液中の防腐剤等アレルギーに悪影響の成分が高濃度に入っている事。
・目の周囲(皮膚、まつげ等)の花粉、ヨゴレを目の内に持ち込む可能性がある事。
・涙の成分中の大切な成分を洗い流してしまう事。
等の理由で、お勧め出来ません。花粉症の場合は、外出帰りに洗顔する事で、目の周りの花粉を洗い流し、目の中は防腐剤なしの点眼(ソフトサンティア(R)等の涙の成分の目薬)で洗い流すのがベストと考えます。

7) 目の中を水道水で洗う?
顔を洗うついでに目の中(角膜〜結膜表面)も水道水で洗う話を時々耳にします。異物が入った時の応急処置で水道水で洗う事は大切ですが、元来目の表面を長時間水道水で洗うと浸透圧(塩分の濃度)が違うので角膜が傷だらけになります。また、水道水は塩素等の混入物も多く、目の中に入れないのが原則です。

8) コンタクトの上から目薬つけて大丈夫?
[1]コンタクト自体が目薬によって変形、劣化等の悪影響を受ける場合
[2]コンタクトの隙間に目薬が入り込み、思わぬ長い時間、
  目薬が作用する事となり悪影響がある場合
とが考えられます。
インタールは各種コンタクトで実験した結果、コンタクトには悪影響を与える事がなかったので、コンタクト使用可能とされている。その他の点眼薬は、実験の時間と費用を考え実験していないので安全かどうか言えない。というのが本当のところと思われる。
インタールがOKで他の点眼がダメとは言えず、コンタクト上から抗アレルギー剤は点眼しても良いとする眼科医も多いが、点眼のphによってはコンタクトが変形し、きつめになりやすいので、点眼ダメとする眼科医もあり、統一された見解はないのが現状。ステロイド剤は、[2]の原因でコンタクト上からは使用しないのが原則。

院長の意見

軽い花粉症で、抗アレルギー点眼2回/日でカユミの消える人は、ハード、使い捨てに限り使用可。コンタクトの上から点眼も可。ステロイド剤まで使わないと止まらないカユミ、メヤニでコンタクトがすぐに汚れる人はコンタクト使用不可。花粉の季節が通りすぎるまで眼鏡にする事をお勧めします。

点眼瓶の保存方法

抗アレルギー剤、ステロイド剤は一般に常温保存が可能(冷蔵庫に入れる必要は無い) 開封後1ヶ月で使い切るか、残ったものは処分する事(全ての目薬は開封後2ヶ月以上使用できるものは存在しない)。ラベルの端にでも開封日を記入すると忘れないで確実。

症例

昭和51年生 E さん 女性

2年前より疲れやすく、特にコンタクトレンズ(2週間使い捨てタイプ)を入れると頭痛がする。以前は、VDT作業の仕事を一日中していたが、2年前に退社。会社を辞めた後も目の症状は改善しない。何回か眼科でコンタクトを含め色々検査を受けたが異常なしと言われた。

当院には平成13年7月に来院されました。最初は結膜炎とドライアイの症状があったので、点眼処方と2週間後の来院を指示。2週間後に来院時、結膜炎、ドライアイ共に改善していましたが、本人の訴えは改善無く、10月の結婚式までにはコンタクトを使いたいのだが何とかして欲しいとより深刻な訴えがありました。眼科的診断上に異常はなくなったにもかかわらず、改善のない違和感、診察時の深刻な態度から内因性の要素を考え、近医・心療内科を紹介いたしました。

現在、心療内科にて治療中。快方に向かい、「世界がガラリと変わったように明るくなった」とのお手紙をいただきました。御本人の希望により今回症例を掲載致します。

眼精疲労と心身症

眼精疲労には、
[1]眼科的検査で異常を認め眼科的治療で改善するもの
[2]眼科的検査には何ら異常を認めず眼科的治療では改善しないものの、
  明らかな違和感(眼の不定愁訴)が存在するもの
とに分けることが出来ます。

この[2]は全身的、環境、生活習慣等の背景は色々異なるものの精神的原因によって起こるものと考えられます。
心身症とは、「身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし、神経症やうつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外する。」 学会では上記のように10年前に定義をしましたが、現実はそれほどクリアカットにいくものではありません。
目に限らず、体のどこかが調子悪い、内科・脳神経科・眼科等で色々検査を受けたが異常ないと言われたり、治療を受けたが全く改善しないという場合は一応精神的原因を疑ってみる必要があると思います。逆に考えれば、病気の発病、経過、治療過程に心理的要素が全く関与しない病気なんてないともいえますが。そこで眼精疲労に間違われやすい心因性の病気の特徴を精神科の専門医のアドバイスとして紹介致します。

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